2007 Fiscal Year Annual Research Report
昭和戦前期農村郷土教育における村内教育体制とカリキュラム改造構想の展開
Project/Area Number |
19730482
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
板橋 孝幸 Fukushima University, 綜合教育研究センター, 准教授 (00447210)
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Keywords | 教育学 / 日本教育史 / 社会科教育史 / 郷土教育 |
Research Abstract |
本研究は、昭和戦前期の郷土教育論及び実践を農村の持つ二重性に着目し、「村内教育体制構築」と「カリキュラム改造」の構想という二つの視角から明らかにすることである。当時の師範学校、同附属小学校、県学務課、連盟、文部省は、農村小学校において展開された郷土教育実践をどのようにとらえ、いかなる農村郷土教育を模索していたのか。これまでの筆者の研究は、学校教育行政の最末端機関である小学校を横並びに検討するものであった。本研究では、師範学校、同附属小学校、県学務課、連盟、文部省を取りあげて、県レベルあるいは国レベルでの検討を通して、その郷土教育論の浸透過程、農村小学校の受容と独自性について分析することを設定している。 第1年度においては、主として秋田県を事例に師範学校と同附属小学校の農村郷土教育論とそれに基づく実践を、「村内教育体制構築」と「カリキュラム改造」の構築に関する観点から分析した。具体的には、すでに調査した秋田県西目小学校の実践との関わり・比較を検討するため、秋田県師範学校、同附属小学校、同第二代用附属小学校、秋田県女子師範学校、同附属小学校、同第二代用附属小学校、及び秋田県学務課を研究対象とした。その結果、秋田県における郷土教育では、県学務行政・師範学校が、郷土研究、各科郷土化等の「カリキュラム改造」に主眼をおいたのに対し、農村に位置する西目小学校は村内教育体制の構築に力点をおいていたことを明らかにした。上記の研究成果については、日本社会科教育学会第57回大会において報告を行った。
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