2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730487
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
岡部 美香 Kyoto University of Education, 教育学部, 准教授 (80294776)
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Keywords | 新教育 / 文化史 / 比較教育史 / 領有 / 日本教育史 / エレン・ケイ / 児童の世紀 |
Research Abstract |
本研究は、20世紀初頭の新教育の思想を対象として、当時のさまざまな社会集団によるその領有のあり方について考察し、思想の読者(集団)が構成する社会構造や緊張関係、そして新教育の思想の社会的な布置を解明することを目的としている。この目的のもと、本年度は2つの具体的目標を達成すべく研究を進めた。 1つは、R.シャルチエ、M.ド・セルトーらの研究成果に拠りながら、本研究の方法論である文化史的アプローチについて精査し、この歴史学的方法論の射程を明らかにした。この考察結果をまとめた論稿「教育思想史研究における文化史の可能性」が、教育思想史学会紀要『近代教育フォーラム』第16号に掲載された。また、日本において早くから文化史的アプローチに着目し教育史研究を進めてきた宮澤康人氏の論考の意義と課題をまとめ、教育哲学会第50回大会のラウンドテーブル「教育関係論の射程」において発表した(4人による共同研究発表。発表代表者は岡部。岡部担当部分のタイトルは「教育関係史の挑発」)。なお、宮澤氏とともに文化史的アプローチによる教育史研究の日本における先駆者として知られる埼玉大学の小林亜子氏と連絡を取り、R.シャルチエ氏の研究を始め、本研究の方法論について議論・検討した。 もう1つは、日本における新教育の領有に関する考察であった。具体的には、新教育の思想の先駆とされるエレン・ケイの『児童の世紀』が日本の読者達にどのように読まれたかを分析考察した。国内の大学や図書館にある資史料を収集し、現在、来年度の成果発表に向けて、それらを読み進めているところである。
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Research Products
(2 results)