2007 Fiscal Year Annual Research Report
「潜在能力アプローチ」における教育の公共性と民主的市民概念の検討
Project/Area Number |
19730496
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Research Institution | Higashi Nippon International University |
Principal Investigator |
馬上 美知 Higashi Nippon International University, 東日本国際大学, 講師 (60364478)
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Keywords | 潜在能力アプローチ / 公共性 / 民主的市民 |
Research Abstract |
教育における公共性の意味を潜在能力アプローチの検討を通して考察するにあたり、本年度はペンシルバニア大学哲学科に訪問研究員として籍を置き、アメリカにおける教育改革及び教育の公共性をめぐる議論や実践の動向を、文献収集、意見交換、学会および研究会参加、学校視察を通して行うことで、広い視野から議論を立ち上げるための背景形成に力を注いだ。 教育の公共性の意味は教育領域への市揚原理導入を柱とする教育改革のなかで再考が求められ、改革の是非をめぐる様々な議論のなかで触れられている。そこで文献収集においては、敢えてテーマを絞らず幅広く行った。 意見交換に関しては、ペンシルバニア大学大学院教育学部の講義への参加や学会及び研究会参加、EDヴィジョン校への視察において、現場教員経験者や他大学研究者と、教育改革や理論動向について活発な議論が行われた。 学会及び研究会参加に関しては、ヌスバウムが会長を務めているHDCA (Human Development and Capability Association/人間開発と潜在能力学会)に参加し、ケイパビリティアプローチに関する研究動向、ヌスバウムによる理論の新展開の有無の確認、教育分科会にて意見交換を行った。またペンシルバニア大学にて毎月開催されているDCC (Democratic Citizenship and Constitution)及び、コロキウム、ワークショップに参加し、社会構成論を巡る理論動向の確認や意見交換を行う。 学校視察においては、チャータースクールの一つとしてアメリカ各地で「民主的市民」の育成を目的として、Project base learningという学習方法による教育を行っているEDヴィジョン校を中心として視察した。
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