2007 Fiscal Year Annual Research Report
戦前生活綴方における教育評価の理論と実践に関する研究
Project/Area Number |
19730502
|
Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
川地 亜弥子 Osaka Electro-Communication University, 工学部, 講師 (20411473)
|
Keywords | 教育学 / 生活綴方 / 作品批評 / 教育評価 / 作文教育 / 北方性教育運動 |
Research Abstract |
本研究の目的は、戦前生活綴方における教育評価の理論と実践を明らかにすることにある。 平成19年度は、4月に京都市綴り方の会にて、研究発表および意見交流を行った(発表題目:戦前の綴方教師の理論に学ぶ-村山俊太郎の作品批評論を中心に)。さらに、6月以降、子ども向け綴方雑誌復刻版『鑑賞文選』『綴方読本』を入手し、小砂丘および関係者の誌上批評に関する分析を進めた。さらに、7月、作文教育研究大会(於高知)に参加し、村山俊太郎の子息村山士郎氏と面会し、村山俊太郎の綴り方指導および教師人生について情報収集を行った。また、12月、教育目標・評価学会大会にて課題研究者となり、村山俊太郎、国分一太郎、佐々木昂、小砂丘忠義の作品批評論と指導と評価の系統に関する報告を行った(発表題目:戦前生活綴方における教育評価の理論と実践に関する研究)。 本年度の研究成果として、指導と評価の系統として、大きく分けて以下のように分類可能ではないかという仮説を示すことができた。(1)表現指導と生活指導の系統の関係を明らかにした系統。(2)子どもの生活や表現に対する意欲を重視する系統。(3)同じような生活環境(「生活台」)を持つ子どもたちの作品を系統的に編集した作品集としての系統。これらは、戦前の綴方教師それぞれの作品批評に対する問題意識が反映されたものである。その一方で、現代のポートフォリオ評価のように、子どもの作品やパフォーマンスの評価の系統を模索している評価法に対しても示唆を与えるものである。 木村文助、近藤益雄の関係資料収集については、計画通りに進まず、平成20年度に持ち越すこととなった。
|