2007 Fiscal Year Annual Research Report
新自由主義的教育改革における教師の自由に関する実証的研究
Project/Area Number |
19730507
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Research Institution | Osaka International University |
Principal Investigator |
中村 浩子 Osaka International University, 国際コミュニケーション学部, 講師 (00441113)
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Keywords | 教育改革 / 新自由主義 / 教師の自由 / 比較教育学 / ニュージーランド / 教育政策 / 特色ある学校 / 学校経営 |
Research Abstract |
本年度は、新自由主義的教育改革が教師たちにとって具体的にどような現実をもたらすのかを捉えることと同時に、日本とニュージーランドの比較を可能にする分析軸の構築を目指しつつ、主に次の4つの点において研究を進めた。 1.国内先行研究の収集と整理 一般に新自由主義的教育改革の構成要素と捉えられている、学校評議員、学校評価、学校参加、学校選択等をめぐる議論、実践例、及び先行研究を収集した。その上で、下記2及び3におけるニュージーランド調査結果との比較研究に向けた整理を行うとともに、世界的には二国がどのような位置づけにあるかについても考察を行った。 2.ニュージーランドにおける先行研究及び資料の収集と整理 ニュージーランド国内3都市における公立図書館において、1980年以降の教育改革に関連する新聞記事、報告書、研究論文、専門図書の収集作業を行い、関連する主要言説の整理を行った。 3.ニュージーランドにおける学校管理職及び同職経験者調査 中等教育段階にある一般公立学校及び特色ある公立学校のうち、在籍者の社会経済度数値が高い学校から低い学校までを含め、学校長、元学校長、教員等を対象にインタビュー調査を行った。その際、上記1における国内先行研究の整理にて扱った要素をインタビュー質問項目として設け、新自由主義的教育改革以降の学校経営及び学校自治の現実について明らかにすべく成果をまとめる作業を行った。 4.国内におけるパイロット調査 上記3におけるニュージーランド調査をもとに、比較対象に相当すると思われる日本国内の特色ある学校にて、パイロット調査を行った。 本年度の研究成果は、単著論文(「学校選択の自由とオルタナティブ教育:ニュージーランドの「特色ある学校」と「オルタナティブ教育プログラム」」『比較教育学研究』第37号)として印刷中のほか、現在、学会発表及び論文投稿準備中である。
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