2007 Fiscal Year Annual Research Report
幼児の数量概念の発達を支援する保育者の実践知の構造に関する研究
Project/Area Number |
19730510
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Research Institution | Senzoku Gakuen Junior College |
Principal Investigator |
榊原 知美 Senzoku Gakuen Junior College, 専任講師 (20435275)
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Keywords | 数概念 / 幼児 / 保育者 / 信念 / 実践知 / 文化的実践 / 幼稚園 / 保育活動 |
Research Abstract |
本研究の目的は,子どもが文化的実践としての数量活動に参加することで,より高度な数量能力を発達させる過程を解明することである。本研究では特に保育活動に注目し,日本の保育実践に特徴的にみられる保育者の促進的支援との関連で幼児の数量概念の発達を捉える。 本年度は,「保育者の実践知と具体的な数量支援のあり方の関係」に焦点を当て,次の2点を行なった。第1に,申請者が幼稚園年長クラスにおいて実施した保育者への質問紙データと保育活動の自然観察記録の分析を行い,幼児の数量発達に対して幼稚園が果たす役割の大きさに関する保育者の信念と,それらの保育者が実際に行っている数量支援量の関係について検討した。その結果,保育者の信念と数量支援量の関係は示されなかった。さらに,そのような保育者の数量支援量と,それらのクラスに在籍している幼児の数量能力の関係についても検討したところ,保育者からの数量支援量が多いクラスの幼児の方が少ないクラスの幼児よりも数量能力が高いことが示された。保育者の意図的・非意図的な数量支援は3,4歳児と同様に(榊原,2006),5歳児についても,数量発達を効果的に促す役割を果たしていることが示された。第2に,申請者が保育者43名を対象に実施した面接・質問紙データのより詳細な分析を進めた。幼児の数量発達支援に対する保育者の説明を,保育者ごとに質問紙と面接データを合わせて検討していくことで,保育者の信念のタイプと保育活動における数量支援の傾向を見出すことができると考えている。
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Research Products
(1 results)