2009 Fiscal Year Annual Research Report
在日ブラジル人青少年の進路・教育選択に関する教育人類学的研究
Project/Area Number |
19730528
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
山ノ内 裕子 Kansai University, 文学部, 准教授 (00388414)
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Keywords | 日系ブラジル人 / 進路・教育選択 / 教育戦略 / 移動 / トランスナショナル / 教育人類学 / ブラジル / 出稼ぎ |
Research Abstract |
本研究の課題は、在日ブラジル人青少年の進路・教育選択過程を、教育人類学の観点から明らかにすることである。2007~2008年度に行った文献調査と、日本国内のブラジル人集住地域のフィールド調査の結果、在日ブラジル人青少年の進路・教育選択過程を把握するためには、(1)彼らを定住者もしくは一時的在留としてではなく、二つの国に足場を持ちつつ生活する人々として動態的に捉えることが必要であること(2)在日ブラジル人青少年のみならず、彼らの両親や、祖父母や祖父母の世代にまで対象を広げて調査を行う必要であること、(3)在日ブラジル人の教育を考える上で、2008年秋に起こった世界金融危機のインパクトは看過できないことの三点が明らかになった。よって、本年度は、「移動と教育戦略」というサブテーマを掲げて上記の課題を遂行することとし、在日ブラジル人集住地域においてフィールド調査を行う一方で、ブラジルにおいてもフィールド調査を行った。 ブラジルでは、世界金融危機の影響を受けて日本から帰国した人々の状況を把握すべく、サンパウロ州を中心として、日本での就労および帰国後の生活を支援する公的・私的機関での聞き取り調査を行ったほか、日本から帰国した日系人たちが、トランスナショナルな移動の経験をどのように解釈しているのかについて明らかにすべく、聞き取り調査を行った。同様に、日系団体や日系教育機関においても、聞き取り調査および資料収集を行った。 このように、今年度は、文献研究と日本国内のブラジル人多住地域でのフィールド調査、そしてブラジル日系社会でのフィールド調査の三本柱で研究を行った。
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Research Products
(4 results)