2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヨーロッパ諸国におけるムスリムの教育問題への取り組みと日本の学校教育の将来性
Project/Area Number |
19730531
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
丸山 英樹 National Institute for Educational Policy Research, 国際研究・協力部, 研究員 (10353377)
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Keywords | 教育社会学 / 比較教育学 / イスラーム教育 / 移民教育 / トルコ / ドイツ・スウェーデン / ソーシャル・キャピタル / 持続可能な発展のための教育 |
Research Abstract |
本研究の目的は、異なる背景を持つ外国人等の児童生徒、特にイスラーム教徒(以下、ムスリム)に対する国際的な観点から見た学校教育と支援システムについて、欧州の事例を参考にしつつ、日本独自の教育の可能性を探求することである。文献調査と聞き取り調査により、イスラーム教育の概念整理、国内外のムスリムに関する教育問題の実態を把握し、学校と外部組織の連携について情報収集及び体系化を行う。 本年度は、前年度からの文献調査をもとに、ドイツ(ベルリン)及びスウェーデン(ストックホルム、ヨテボリ、マルメ)の現地訪問調査を行った。両国の行政及び教育支援団体にインタビューを行い、その動機、ネットワーク、参加者の満足などについて調査ができた。この調査の詳細は後日論文にまとめる。 また、日本国内においては、横浜モスクを訪問し、日本のムスリムが抱える問題についてインタビューを行った。大人ですでに長期に滞日の場合はほとんどイスラームに起因する問題を感じないが、子どもの教育については問題を感じると。しかしそれは、リクエストに応じて様々な協力をしてくれる学校や行政に対してではなく、イスラーム教育である。子ども達にはモスクで勉強会を開催していること、毎週金曜には女性ムスリムが集まり学習会を行っていることも、分かった。ラマザン中には遠く富山から車でやって来たムスリムも礼拝に参加していた。さらに、早稲田大学主催の会合により、在日ムスリム及びモスクのネットワークが強まりつつあることを確認した。
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Research Products
(4 results)