2007 Fiscal Year Annual Research Report
小・中・高一貫性に基づく歴史教育カリキュラム開発のための基礎的研究
Project/Area Number |
19730532
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
山田 秀和 Hirosaki University, 教育学部, 講師 (50400122)
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Keywords | 教育学 / 社会科教育 / 歴史教育 / 小・中・高一貫 / カリキュラム / アメリカ |
Research Abstract |
1.アメリカにおける社会科カリキュラム改革の動向調査 全米社会科協議会(NCSS)による社会科カリキュラム改革の基本理念を読み解いた上で,アメリカ各州の社会科スタンダードを収集し,その動向を調査した。州によって様々な違いはあるものの,小・中・高の一貫性を重視したカリキュラム開発(スコープ・シークエンスの設定)が進められていることを確認することができた。 2.オハイオ州の社会科スタンダード分析 (1)現代アメリカ社会科カリキュラム改革の一つの事例として,オハイオ州の社会科スタンダードを取り上げ,そのスコープとシークエンスの編成にっいて分析した。全学年を貫くスコープ(「歴史」「社会の人々」「地理」「経済」「政治」「市民の権利と責任」「社会科技能と方法」の7つ)は,人文・社会諸科学を中心にしつつ,市民としての権利・責任や技能を学ばせるように設定されていた。シークエンスは,時間と空間を軸に学習対象を拡大し,最終的に市民としての実践的な資質を育成するように組織されていた。この分析により,小・中・高一貫の社会科カリキュラムを編成するための一方法論を導くことができた。 (2)オハイオ州の社会科スタンダードを事例として,歴史教育における小・中・高一貫性の原理を抽出した。全学年を貫くスコープ「歴史」のプログラムは,学年(学校)段階の上昇にしたがって,(1)歴史を読み解く視点の学習(主に初等)→(2)現代社会の成立過程の学習(主に中等前期)→(3)今後に向けた歴史とのかかわり方の学習(主に中等後期)へと発展するように組織されていた。過去・現在・未来を関連づけて思考できる力を育成するための一方法論を導くことができた。 (3)オハイオ州の社会科スタンダードに基づく小・中・高の単元・授業構成について資料を収集し,予備調査を行った。
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Research Products
(2 results)