2007 Fiscal Year Annual Research Report
先端テクノロジーの科学原理を活かした科学概念の理解を促すカリキュラム構成法の解明
Project/Area Number |
19730549
|
Research Institution | Koriyama Women's Junior College |
Principal Investigator |
郡司 賀透 Koriyama Women's Junior College, その他, 講師 (30412951)
|
Keywords | 教育学 / 科学教育 / カリキュラム構成 / 先端テクノロジー / 科学概念 |
Research Abstract |
当該年度は,日本における先端テクノロジーの科学原理を組み込んだ科学教育カリキュラムの実態を2つの視点から明らかにした。 第一に,日本の科学教育カリキュラムにおける先端テクノロジーに関する教材の特徴を明らかにするため,「医薬品」を事例にして調査を進めた。具体的には,戦後発行の高等学校化学教科書および教師用指導書の記述内容をデータベース化して,テキスト分析を行った。分析の結果,次の3つの特徴が明らかになった。(1)1951(昭和26)年版学習指導要領(試案)対応化学教科書以降,「医薬品」教材の記述量は漸減したものの,1999(平成10)年版対応教科書から急増した。(2)「医薬品」教材の種類は多岐にわたり,いくつかの教材が頻出する傾向にあった。(3)「医薬品」教材の選択の意図は,薬理作用,化学工業発展の歴史および現代化学の進歩を説明するものが多かった。 第二に,日本の科学教育カリキュラムにおける先端テクノロジーに関する教育内容の歴史的な背景を探った。具体的には,応用科学に関する内容が教授要目に明記されるようになった1925(大正14)年前後に発行された,教育雑誌記事および教育関連団体の議事録等のデータベース化を行い,その内容分析を行った。分析の結果,大正期の中等化学教育カリキュラムたおける応用科学的内容の導入過程には,学界における学派の対立,中学校化学教科書の記述内容および,工場参観・見学の効率化の論点があったことが確認された。
|
Research Products
(3 results)