2008 Fiscal Year Annual Research Report
発達性協調運動障害のある幼児の類型化と練習スケジュールの影響
Project/Area Number |
19730552
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
増田 貴人 Hirosaki University, 教育学部, 講師 (20369755)
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Keywords | 発達性協調運動障害(DCD) / 幼児 / 運動学習 / 文脈干渉効果 |
Research Abstract |
本研究の目的は、幼児期における発達性協調運動障害(developmental coordination disorder : 以下DCD)について類型化を行い、その類型別の支援について検討することである 本年度は、昨年度までに行われた対象児(DCDのある幼児)の選定及びDCDの類型化の手続きにさらに検討を重ねた結果、粗大運動/微細運動の観点から3つの下位集団が適当と判断された。それをふまえ、DCDのある幼児の支援における課題の練習スケジュールを類型別に検討した。拒否などを除きデータの得られた幼児237名の記録のうち、アセスメントによる結果DCDが疑われる水準だった50名を対象児(平均年齢 : 5.50±0.71、男児29名、女児21名)とし、各3下位集団に属する対象児に、目標となる箱までの距離を変えたお手玉投げ課題(A : 80cm, B : 140cm、C : 200cm)をそれぞれ実施した。その際運動学習研究における多様性練習仮説とそれに基づく文脈干渉効果に関する諸研究を本研究に応用することとして練習課題を設定した。すなわち、カウンタバランスを考慮しながら各類型に属する対象児をそれぞれブロック練習条件、シリアル練習条件、ランダム練習条件に振り分け、結果的に3(類型)×3(条件)の群を設定し、全ての群に練習課題実施後、転移課題及び後日行う保持課題(120cm)を実施し、練習の効果を分析した。DCDのある幼児において、練習中の成績はブロック練習条件の成績が向上したが、転移及び保持課題の結果では、シリアル練習条件の成績が安定していた。DCDのある幼児は、知的障害児の傾向と同じく、ランダム練習条件のような完全に多様な条件では運動スキーマの形成がされにくく、課題の繰り返しを含むシリアル条件の方が運動スキーマ形成がされやすいという示唆が得られた。
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