2007 Fiscal Year Annual Research Report
注意欠陥/多動性障害児における二重課題を用いた注意機能の検討
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19730555
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
坂尻 千恵 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 準研究員 (90436262)
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Keywords | ADHD / stop-signal課題 / 広汎性発達障害 |
Research Abstract |
注意欠陥/多動性障害(ADHD)は注意を向け続けられない、落ち着きがない、衝動的に行動してしまうといった特性を有し、数多くの実験課題でその特性が検討されている。その中の一つの課題として反応抑制に焦点を当てたStop-signal課題がある。今年度はStops-signal課題を用いて以下の2つの研究を実施した。【研究1】Stop-signal課題を用いて、ADHD児および知的に遅れの見られない広汎性発達障害児の反応抑制の特性を明らかにした(坂尻ら,2007年)。本研究は表出する行動特徴が類似するADHD児と広汎性発達障害児について、同一課題の同一条件下で実施し反応抑制に着目した結果、ADHD児は反応実行の不正確さが顕著であるとともに反応抑制の困難さが認められた。また、広汎性発達障害児は反応抑制の結果について、ADHD児と似たタイプと健常統制群の児に似た2つのタイプに分類された。ADHD児における反応抑制の困難さについては明らかな結果が示されたと同時に、広汎性発達障害児のタイプによる違いを明確にしたことにより新たな示唆を得たと考える。【研究2】ADHD児における研究の基礎的知見を得ることを目的として健常成人を対象としてStop-signal課題の詳細な検討を進めた。Stop-signal課題では停止信号が提示するタイミングによって反応を抑制できるか否かが決まるが、反応を抑制するか実行するかという遂行が何に関連しているのか検討した。
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Research Products
(1 results)