2008 Fiscal Year Annual Research Report
注意欠陥/多動性障害児における二重課題を用いた注意機能の検討
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19730555
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
坂尻 千恵 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 助教 (90436262)
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Keywords | Stop-signal課題 / 反応抑制 / 注意機能 / 発達障害 |
Research Abstract |
反応抑制機能の検討に多く用いられるStop-signal課題は実行信号出現時にはボタン押しをすること(選択反応時間課題)、停止信号出現時にはボタン押しを行わないように求める課題であり、遂行中の反応の抑制を検討するのに適した課題として知られている。本年度は、Stop-signal課題を用いて反応抑制の検討を実施するとともに、反応を抑制すること、ならびに停止信号の提示がその後の試行に及ぼす影響について検討することを目的とした。つまり、停止信号出現時に反応抑制に失敗した場合と反応抑制に成功した場合において、その後の試行の遂行がどのように変化するか、そして前の試行の遂行結果だけではなく反応処理速度に影響を受けるか否か検討を行った。なお、注意欠陥多動性障害児の行動特性を明らかにすることを最終目的として、本年度はその基礎的知見を得るために成人を対象として検討を行った。その結果、反応時間は前の試行の遂行結果(反応抑制に成功したか失敗したか)のみならず、前の試行の反応処理速度にも影響を受けており、前の試行の処理速度が速ければ次の試行の処理速度も速いというプライミング効果を示した(学会発表済み(Sakajiri & Maekawa, 2008 ; 坂尻・前川, 2008)、論文投稿中)。また、反応抑制に成功した場合、すなわち実際には反応を実行していない場合においても、先行する試行の反応時間の影響を受けることが示唆された。
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Research Products
(2 results)