Research Abstract |
本年度は, 前年度の研究で実施された障害のある高校生の大学進学支援プログラムを拡張することを軸に以下の通り実施した。 (1) 障害のある高校生の大学進学支援を目的としたプログラムであるDO-IT Japanを開発した。DO-ITJapanには, 夏季の大学体験プログラム, ならびに年間を通じて行われるオンラインメンタリングプログラムが含まれる。大学体験プログラムの中では, 大学進学を目指す高校生が, 5日間親元を離れて大学に通う中で, 大学進学と将来の就職, 自らの能力を高めるテクノロジー利用, 自己決定と自立生活などの内容を学び, 自ら主体的に進学へ向け活動することを支援した。オンラインメンタリングプログラムでは, メーリングリストを通じて進学, 就職, テクノロジー利用等に関する相談や支援を提供する環境を構築した。なお, このDO-IT Japanプログラムは, 平成21年度以降も実施される予定である。 (2) プログラム参加者に対して, 進学を進めるにあたり役立つ支援技術とコンピュータを1台ずつ提供し, その利用効果に関するインタビューを実施した。その結果, 学習効果を高めること, 情報を整理すること, コミュニケーションを図ること等について, これら支援機器やコンピュータが大いに役立つことが明らかになった。また, 普段の学習や受験場面において, そうした支援機器の利用が適切な評価につながることについて, その利用の妥当性を示す科学的データを得るため, 参加者に対してのケーススタディーを行った。
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