2008 Fiscal Year Annual Research Report
古典制限1次元状態和や数理物理学に現れる特殊多項式のパス模型を用いた研究
Project/Area Number |
19740004
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐垣 大輔 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (40344866)
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Keywords | 量子アフィン代数 / 結晶基底 / パス模型 / Kirillov-Reshetikhin加群 / Mirkovic-Vilonen多面体 |
Research Abstract |
平成20年度は, 平成19年度に引き続き, Mirkovic-Vilonen多面体(以下, MV多面体)の理論を量子アフィン代数上のレベル・ゼロ基本表現の結晶基底の場合に構築するすることを考えた. これが出来れば,MV多面体のなすクリスタルとレベル・ゼロ基本表現のパス模型の問の対応を調べることで, Lakshmibai-Seshadriパスの規則性, さらにはrigged configurationとの関係を幾何学的に調べることが出来るようになる. 平成20年度に得られた結果. (1)gを有限次元単純リー代数とし, U_q(g)をその量子群とするU_q(g)の有限次元既約表現の結晶基底には,'opposite' Demazure加群の結晶基底が含まれる. そのopposite Demazure加群の結晶基底をMV多面体を用いて記述することに成功した. (平成19年度の実績報告書にも書いたが, レベル・ゼロ基本表現の結晶基底はDemazure加群の結晶基底と密接な関係があることが観察されている.) (2) gがA_n型の有限次元単純リー代数の場合に, MV多面体の(クリスタルの元としての)テンソル積について研究した. そして, ある自然な条件の下でMV多面体の最も基本的な1-skeletonに注目すると, MV多面体P, Qのテンソル積P〓Qは, 各辺の長さがPの対応する辺の長さとQの対応する辺の長さの和になっているようなMV多面体になることを証明した. (クリスタルの理論において重要な結果を証明する際には, テンソル積がどのように記述できるかが鍵となることが多い. それゆえ, この研究は最初に述べた目的にとって非常に重要であると考える.)
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Research Products
(5 results)