2007 Fiscal Year Annual Research Report
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19740012
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山下 剛 Kyoto University, 数理解析研究所, 研究員(COE) (70444453)
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Keywords | p進ホッヂ理論 / L関数の特殊値 / p進Beilinson予想 / p進ポリログ / 基本群 / サントミック・コホモロジー / p進周期環 / レギュレーター |
Research Abstract |
L関数の特殊値を研究するにあたって,そのp進類似を研究するのは非常に有効な伝統的手法である.数論の中心的予想であるBeilinson予想のp進類似は,現在まだ完全な形では定式化されていない.その原因の1つに,p進では2πiに対応するものが消えているということがある.今年度は,その2πiに対応するものが消えていないFontaineのp進周期の環を用いることでp進Beilinson予想の精密化および一般化を行った.具体的には,p進ポリログのBcrys持ち上げ,p進L関数のBcrys持ち上げ,サントミック・コホモロジーのBcrys持ち上げ,サントミック・レギュラーターのBcrys持ち上げ,p進Zagier予想のBcrys持ち上げを研究した.また,Riemannゼータ関数の特殊値に関するEulerの公式のp進類似を研究した.古典的なp進理論ではこれは意味のある命題にならないが,p進周期環を用いることで,意味のある命題になり,さらにこれはGaloisコホモロジーのSoule元とColemanのp進ポリログとを結びつけるp進ホッヂ理論とレギュレーターに深い関係をもつ.p進L関数のBcrys持ち上げp進Zagier予想のBcrys持ち上げはまだ十分な理解に至っておらず,今後も引き続き研究を行う.
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