2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740013
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
前野 俊昭 Kyoto University, 大学院・工学研究科, 講師 (60291423)
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Keywords | 旗多様体 / 鏡映群 / Hopf代数 / Lefschetz性 |
Research Abstract |
平成21年度においては、旗多様体のコホモロジー環あるいは一般に鏡映群の余不変式環と鏡映群上の非可換微分構造に関して研究を行ったほか、鏡映群の余不変式環を含む有限次元可換Gorenstein代数のLefschetz性に関する結果を得た。 まず、鏡映群上の非可換微分構造を記述する代数として対称代数のbraided版であるNichols-Woronowicz代数と呼ばれるHopf代数が知られている。有限Coxeter群に付随して定まるある種のYetter-Drinfeld加群から得られるNichols-Woronowicz代数は、対応する余不変式環を部分代数として含むことがBazlov氏により示されている。Kirillov氏との共同研究により、このBazlov氏の結果を複素鏡映群の場合に拡張することが出来た。この構成では、Dunkl-Opdamの複素鏡映群に対するDunkl作用素に類似した構造が現れ興味深い。 また、このようなモデルの応用としてPieri型の公式があり、A型の旗多様体の(量子)コホモロジー環に対してはFomin-Kirillovにより二次代数を用いた研究がなされた。我々はトーラス同変(量)コホモロジー環にしても二次代数の拡大を用いたモデルを構成し、二重Schubert多項式に対する新しいPieri型公式を得ることが出来た。 肩限次元代数のLefschetz性に関しては、渡辺氏との共同研究により多項式のHessianを用いたLefschetz元の判定条件を与え、応用として強Lefschetz性を持たないようなGorenstein代数の新しい例を構成することができた。有限Coxeter群の余不変式環に対するLefschetz性の研究はBruhat順序に関する組み合わせ論、特にSperner性の研究に関連して重要なものである。
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Research Products
(3 results)