2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740016
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高橋 宣能 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 助教 (60301298)
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Keywords | ル-プ空間 / ア-ク空間 / モティ-フ的ゼータ / 代数幾何学 |
Research Abstract |
本年度は、形式的ループ空間・アーク空間の特異点論などへの応用について予備的な考察を行うとともに、モティーフ的ゼータ函数に関する研究を行った。 形式的ループ空間・アーク空間については、フロべニウス写像とループ空間・アーク空間の類似を追究することを目標とした。手掛かりとして、tight closureの標数0での類似について情報収集を行い、nonstandard tight closureなどについて学んだ。その中で、tightclosureの満たすべき性質を取り出し、一種の普遍牲によって定義される環を研究する、という着想を得た。これは、対数的ジェット空間などとも関係があるのではないか、との感触を得ており、来年度以降に向けて研究を構想中である。 一方で、関連する話題としてモティーフ的ゼータ函数に関する研究を行った。これは、多様体から得られる無限の系列を調べる、という視点に基づくものである。特に、Chowモティ-フのGrothendieck環におけるモティーフ的ゼータを研究するため、モティーフについての情報を研究集会などで収集した。また、線形モノイダル圏という一般的な枠組みにおいてSchur有限性とモティーフ的ゼータの有理性について分析を行い、Schur有限な対象のモティーフ的ゼータはdeterminantally rationalであること、またunifrmly rationalとは限らないことを証明した(論文は準備中)。この中で、双対の存在を仮定した場合の有理性などの問題が残されたので、来年度以降の課題としたい。
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