2007 Fiscal Year Annual Research Report
保型形式に付随するモチーフの具体的構成に関する研究
Project/Area Number |
19740017
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山内 卓也 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 研究員 (90432707)
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Keywords | モジュラー多様体 / モジュラー性 / 変形理論 / R=T / GSp(4) |
Research Abstract |
研究計画に記載した研究項目(a)にあるとおり、モジュラー多様体に付随するモチーフの研究を行った。より具体的には、パラモジュラーレベル3の3次元ジーゲル多様体のコホモロジーを調べ、その多様体上の正則3形式は既存のボーチャーズ積と一致することを岡崎氏との共同研究で示した。この結果はインパクトファクターの高い雑誌Math.annalenに掲載予定である(電子版は入手可能)。 続いて、カラビーヤウ多様体の族を超幾何層と呼ばれるものから構成し、そのコホモロジーを計算した。このカラビーヤウ多様体をもちいれば、Harris-TaylorなどによるSato-Tate予想の別証明が期待される。 高次元モジュラー製問題を解決するためには現代の最先端の理論を習得する必夜があるが、今年度2月にその磯となる部分の勉強会を開き、講演者兼世話人を担った。また、19年度3月の長野県での「R=T」の勉強会に参加し、モジュラー性問題解決のための基礎知識を習得した。 上記勉強会で取得した知識をもとにガロア表現の変形に関する次の成果をえた: (1)漂数が2の局所体上の有限群スキームの分類 (2)付加構造つき整p進ホッジ理論の構築、とくにそのGSp(4)表現の変形環への応用 これらの成果はGL(2)以外の代数群で「R=T」を証明する際には必要不可欠な結果である。
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