2007 Fiscal Year Annual Research Report
微分方程式と微分幾何学の双対性に関する特異点論的研究
Project/Area Number |
19740023
|
Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 雅朋 Muroran Institute of Technology, 工学部, 講師 (80431302)
|
Keywords | 特異点論 / 双対性 / エンゲル・ルジャンドル変換 / Implicit 常微分方程式 / ミンコフスキー空間 / ルジャンドル特異点諭 / ラグランジュ特異点論 / 焦面 |
Research Abstract |
1.エンゲル・ルジャンドル変換はルジャンドル曲線とミンコフスキー空間内の光的(ヌル)曲線との双対性です。それぞれの曲線に対して、フレネ・セレ型の公式を定式化しました。また、ルジャンドル曲線から導入される光的接線曲面は局所的に波面になっていることが分かり、ジェネリックな特異点を求めました。もう一方の光的曲線から導入されるルジャンドル接線曲面にどのような特異点が現れるのかを次年度決定したいと思います。 2.完全積分可能なimplicit2階常微分方程式の詳しい性質と分類を行いました。この結果、グラフ型の解を持つクラスは接触特異点集合内に幾何学的解があれば必ず特異解となることが分かりました。つまり、explicitな常微分方程式はグラフ型の解の存在と一意性が成り立ちますが、implicit2階常微分方程式のグラフ型の解を持つ微分方程式は完全解以外の解は特異解であるということが分かりました。また、高階のimplicit常微分方程式に対して、完全解が存在するための必要十分条件と幾何学的解の一意性についての条件を求めました。この結果は様々な応用があると思われ次年度は応用についても考察したいと思います。 3.双曲空間とド・シッター空間内の空間的または時間的曲面に対して、折り目写像を用いることにより縮閉線、対称集合と折り目写像の分岐集合(焦面)の関係がルジャンドル双対であることを示しました。この結果により折り目写像の分岐集合の特異点を調べることにより、曲面の性質が記述されることが分かりました。
|