2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740026
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
野田 健夫 Akita University, 工学資源学部, 助教 (90431618)
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Keywords | 葉層構造 / 接触構造 / 力学系 |
Research Abstract |
全葉層とは多様体上その次元に等しい数からなる余次元1葉層構造の組である。この全葉層の存在問題に関して浅岡、Dufraineと共同で進めていた研究を論文''Homotopy classes of total foliations and bi-contact structures on three-manifolds''にまとめ、雑誌Commentarii Mathematici Helveticiに投稿した。この論文では3次元多様体上の任意の平行化された2次元接分布に対し、平行化を含むホモトピーにより全葉層の接平面場にすることができることを完全に証明した。3次元多様体上の単一の余次元1葉層構造の存在に関する結果と比較すると、単一の葉層構造が多重葉層構造へ昇格するためには平行化可能性という自明な障碍以外に条件が生じないことが分かった。 双接触構造とは横断的交わり符号の異なる接触構造の組のことである。 Eliashberg-Thurstonの摂動定理により、3次元多様体上の余次元1葉層構造の接平面場は接触構造により近似されることが知られているが、この事実と今回の結果を合わせると任意の平行化された2次元接分布のホモトピー類に双接触構造が存在することも分かる。上記の論文では更にその性質を観察し、この構成による双接触構造が二つとも過旋接触構造になるようにできることも示した。逆にtightな接触構造の存在問題とホモトピー論的性質についてはとても気にかかるところであり、今後の課題として残っている
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