2008 Fiscal Year Annual Research Report
高次元トポロジーと低次元トポロジーの境界領域にある幾何
Project/Area Number |
19740031
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
高瀬 将道 Shinshu University, 理学部, 准教授 (30447718)
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Keywords | 微分可能写像 / 高次元結び目 / はめ込み / 埋め込み / 特異点 / コボルディズム |
Research Abstract |
多様体のトポロジーについて、多様体間の微分可能写像を主な題材にして、研究を行った。具体的に記述されたある3次元球面の4次元空間へのはめ込みの正則ホモトピー類とコボルディズム類を、特異Seifert膜を用いて計算した。前年度までに3次元多様体の4次元空間へのはめ込みのコボルディズム類を特異Seifert膜の言葉で記述する公式を導いていたが、このような公式は作るのは容易な反面、具体的な例に対して実際に使うのは困難であるという嫌いがあったからである。したがって今年度行った計算については、その計算結果自体というより、計算の中で行った特異Seifert膜の具体的構成の中に大きな意義がある。実際、特異Seifert膜の構成の中ではある写像芽の具体的なunfoldingがうまく使われていて、この点はより一般的な状況にも応用できる可能性がある。とはいうものの、計算結果の一つは球面の3次の安定ホモトピー群の生成元の(余次元1のはめ込みによる)具体的記述を与えているとも言えて、この点も興味深い。これらの結果については、近畿大学数学教室講演会において1時間の講演をしたほか、プレプリントにまとめ、既に査読誌に投稿済みである。埋め込みやはめ込みだけでなく折り目写像といった特異点を持つ多様体間の微分可能写像についても研究をした。多くの研究集会に参加できたことは研究遂行上とても役に立った。相対的には旅費に多くの金額を使ったが、これはほぼ予定通りの予算執行であって非常に有意義だった。
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Research Products
(1 results)