2009 Fiscal Year Annual Research Report
ホモトピー代数の幾何学、及び幾何学の変形問題への応用
Project/Area Number |
19740038
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
梶浦 宏成 Chiba University, 大学院・理学研究科, 准教授 (30447891)
|
Keywords | 幾何学 / トポロジー / 代数学 / 数理物理 / 素粒子論 |
Research Abstract |
幾何学的対象に対し,その不変量としてしばしば三角圏を考えることがあるが,その幾何学の変形問題を考える際,三角圏そのものの変形の定式化をすることは難しい.一方,このような幾何学に付随する三角圏はA∞圏から構成することができ,A∞圏の変形は定式化できる.このようなわけで,A∞圏と,それから構成される三角圏の間の関係について理解することが重要となり,これは本研究課題の主要なテーマの一つであった.原理的にはA∞圏から三角圏を構成するわけなので,A∞圏の情報のいくらかが三角圏において失われることになる.しかしこのことについてはっきりした記述が今までないので情報が失われるA∞圏の例を構成しておこうと思ったのが動機である.しかし意外にもかなりの情報は三角圏において保たれていることが分かり,本年度ようやく情報が失われるようなA∞圏として複雑な例を構成することに成功した.この結果について,佐賀大学における「幾何学シンポジウム2009」,信州大学における研究会「空間の幾何的・代数的モデルとその周辺2009」,及び韓国梨花女子大学における韓国・アメリカ合同数学会において研究発表を行った.上記の信州大学における研究会の報告集にこれらの結果の概略を書いなが,詳細を含めた論文を現在準備中である.さらに,このA∞圏から得られる三角圏のうちでも比較的その構造が理解できることが期待できるクラスのものについて,それらを有限次元代数の表現論の一般化という観点からみることによる研究が進展中である.
|