2009 Fiscal Year Annual Research Report
特異点をもつラグランジュ部分多様体のフレアー理論の研究
Project/Area Number |
19740040
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
赤穂 まなぶ Tokyo Metropolitan University, 理工学研究科, 助教 (30332935)
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Keywords | シンプレクティック幾何学 / フレアーホモロジー / 擬正則曲線 / ラグランジュ部分多様体 |
Research Abstract |
平成21年度もこれまでに引き続き、特異点をもつラグランジュ部分多様体のフレアー理論の構成に向けての研究を行った。具体的には境界付き多様体の位相的A無限大圏の構成方法を考察した。この境界付き多様体の位相的A無限大圏は、凹型のエンドを持つシンプレクティック多様体における、ルジャンドル・エンドをもつラグランジュ部分多様体をオブジェクトとする深谷圏のトイ・モデルであると考えられる。この境界付き多様体の位相的A無限大圏の構成におけるポイントは以下の2点である:(1) gradient treeのもジュライ空間のコンパクト化、(2) 代数的な構造を取り出す方法。まず(1)のモジュライ空間のコンパクト化についてはStasheffによるmetric treeのモジュライ空間のコンパクト化と境界付き多様体におけるgradient treeのモジュライ空間のコンパクト化との関係を見出すことが重要である。そして(2)の代数構造(A無限大構造)を取り出す方法については、モース関数に付加的なデータ(ある種の摂動データ)が必要であることが判明した。そしてこのことにより、境界付き多様体の位相的A無限大圏を余接束に持ち上げて考察することによって、凹型のエンドをもつシンプレクティック多様体における、ルジャンドル・エンドをもつラグランジュ部分多様体をオブジェクトとする深谷圏の構成方法にある程度の見通しと大変重要なヒントが得られた。
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Research Products
(8 results)