2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740041
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
田中 心 Tokyo Gakugei University, 教育学部, 講師 (70448950)
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Keywords | トポロジー / 曲面結び目 / カンドル / コバノフ理論 |
Research Abstract |
本年度は, ウィリアムカレッジのColin Adams氏・大阪市立大学数学研究所の新庄玲子氏の両氏と「結び目図式の補領域」に関する研究を行った. 結び目図式はそれが描かれている二次元球面をいくつかの多角形領域に分割するが, その際の奇数角形領域の個数に注目したり, 使用されている多角形の形に注目したりすることで, いくつかの興味深い結果が得られた. 補領域の形に着目した研究は今までにない新しいものであり, このようなアプローチを曲面結び目にフィードバックさせることが今後重要になってくる. コバノフ理論に関しては, 局所関係式に関する結果を得た. この局所関係式は, Bar-Natan氏により発見された三種類の関係式であり, コバノフ理論を幾何的に解釈する際に重要な関係式である. 今回, この中の一種類(の弱い形)が他の二種類で表せることを示した. これは, コバノフ理論を用いた曲面結び目不変量の構成に関して, 基本的な考察となるはずである. カンドルを用いた研究に関しては引き続き研究中である. 中でも特に, Joao F. Martin氏によるCategorical groupを用いた曲面結び目不変量との関係性について, 昨年度から引き続いて模索中である. この方向性は, 「結び目カンドルは, 曲面結び目のどのような情報を反映しているか?」という基本的な問題に関する一つの答えを与えるものと期待される. 本年度は, 上記研究の内容をいくつかの研究集会やセミナーで発表し, 国内外の研究者と議論を交わしたが, その際の旅費を科研費から捻出した.
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Research Products
(1 results)