2009 Fiscal Year Annual Research Report
非Markov場への応用に向けた無限次元確率解析の展開
Project/Area Number |
19740043
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
針谷 祐 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 准教授 (20404030)
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Keywords | 確率論 |
Research Abstract |
今年度はWiener空間上の発散公式についての研究を進めるとともに,非Markov的な対象物であり構成論的場の量子論において重要な意味を持つ「自己回避的なBrown経路」の構成のためにWestwaterらにより研究され,その結果得られた経路空間上の確率測度の族の長時間極限を議論するためのまずはそのテストケースとして,Roynette,Vallois,Yorらにより2005年来盛んに研究されているWiener測度に対するFeynman-Kac型の処罰問題に関して研究を行った.具体的には,この種の処罰問題を解く上で重要となる,付随する放物型方程式の基本解の長時間挙動に関する村田實氏による1985年の結果に対して,1次元かつ方程式のポテンシャルがある種の可積分条件をみたす場合に,研究代表者が2006年に考案した時間変更の手法を用いることによって3次元Bessel過程による確率論的な説明を与え,その結果をプレプリントに纏めた.
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