2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740045
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
丸山 祐造 The University of Tokyo, 空間情報科学研究センター, 准教授 (30304728)
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Keywords | 許容性 / 統計的決定理論 |
Research Abstract |
正規分布における未知母数の推定問題を考える.もちろん平均も分散も未知であり、通常「分散が未知の下での平均の推定問題」あるいは「平均が未知の下での分散の推定問題」が考えられてきた.しかし,両方未知であるのでどちらも同時に推定する方が自然である.損失関数としては,平均ベクトルに二乗損失,分散にエントロピー損失を仮定し,それらの適当な重み付き和を用いる.これは,カルバック・ライブラー距離のAICとは逆方向のものを考えることに対応する.2007年度の結果として,平均と分散のそれぞれ最良不偏推定量を優越する縮小型ベイズ推定量を提案した.出張で訪問した Pennsylvania大学のGeorge教授から適切なコメントを頂いた. またRutgers大学のStrawderman教授を出張で訪問して,共同研究を行った.線形回帰モデルの回帰係数ベクトルの推定問題において,Maruyama and Strawderman(2005, Annals of Statistics)の結果を拡張し,新たなminimax推定量のクラスを提案した.この結果は,2008年3月にarXiv:0803.1276v1として公開し,論文誌にも投稿済みである. これら二つの結果は,自然な推定量が非許容的であることを示すが,これまでのところ,優越する推定量のクラスの中に許容的なものは見つかっていない.来年度の課題としたい.
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