2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740051
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松本 浩一 九州大学, 大学院・経済学研究院, 准教授 (30380687)
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Keywords | 流動性 / 数理ファイナンス / 金融工学 / 投資問題 / デリバティブ / リスク管理 |
Research Abstract |
本年度は,主にリスク管理理論の研究に取り組んだ.また,リスク管理理論の実用化の際に重要となる計算ファイナンスの研究を行なった. 1.資産の流動性リスクを考慮した場合,リスク管理は長期的視点で行う必要がある.長期的リスク管理に必要となる多期間許容可能測度の研究を行なった.主な研究成果は以下の通りである. (1)許容可能測度の時間変化を確率過程で表現し,満たすべき性質(弱時間整合性)を提示した. (2)多期間許容可能測度を確率測度の集合(リスクシナリオ集合)によって表現し,弱時間整合性の観点からリスクシナリオ集合が満たすべき性質を明らかにした. (3)実用的な許容可能測度であるテール・バリュー・アット・リスク測度の多期間化は,一意的でないことを証明した. (4)先行研究の多期間テール・バリュー・アット・リスク測度が本研究の枠組みで説明できることを証明し,本研究が先行研究の一般化であることを明らかにした. (5)2種類の新しい多期間テール・バリュー・アット・リスク測度を提案し,これらの測度が最適停止問題で表現できることを証明した.また,その数値計算方法を示した. これらの研究成果は,複数の研究集会(国際会議3,国内会議1)で発表した. 2.多期間許容可能測度の数値計算に必要となる最適停止問題の数値計算方法の研究を行なった.研究成果は国際会議で発表した.また,研究成果を論文にまとめて国際学術誌で発表した.("Simple Improvement Method for Upper Bound of American Option," Stochastics : An International Journal of Probability and Stochastic Processes)
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Research Products
(6 results)