2007 Fiscal Year Annual Research Report
ロジーフラクタルに関するサブスティテューションの特徴づけの研究
Project/Area Number |
19740056
|
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
江居 宏美 Chuo University, 理工学部, 助教 (60333051)
|
Keywords | 記号力学系 / フラクタル / サブスティテューション / タイリング |
Research Abstract |
本年度は主に、1. 高次元化したサブスティテューションによる定量化を用いた可逆性の判定、そして、2. サブスティテューションの可逆性とロジーフラクタルの幾何学的特徴の関係について研究することを目的としていた。 1. については、ランク2のサブスティテューションに関する結果をランク3以上に拡張したものある。本研究で、ランク3、4、5のサブスティテューションを大量に発生させ、それぞれのサブスティテューションから決まる量をコンピュータで計算し、可逆性との関係を調べた。そして、サブスティテューションのランクによらず、ランク2の場合と同様の結果、つまり、定量化により可逆性を決定できるのではないかというということが、わかってきた。サブスティテューションに関するさまざまな結果において、ランク2とランク3以上では、多々、ギャップが生じることを踏まえると、任意ランクに拡張可能であることを予想できたことは、この先の研究において重要である。 2. について、ランク2の既約なサブスティテューションの場合、ロジーフラクタルの幾何学的特徴(具体的には、連結性)は、サブスティテューションの可逆性のみで決まっている。そこで、ランク3の可約なあるクラスのサブスティテューションについて、可逆性、複雑度(Complexity)の計算、そしてロジーフラクタルの描画を試みた。これらを比較することにより、このクラスについて、ロジーフラクタルの連結性は、サブスティテューションの可逆性に加え、更に複雑度が関係していることが分かってきた。今後、より一般的な場合についての議論が必要になってくるが、高いランクのサブスティテューションに関するロジーフラクタルの幾何学的特徴を捉えるための視点として、複雑度という方向を与えたという点で、意義がある。
|