2007 Fiscal Year Annual Research Report
ある種のスペクトルを保存するBanach環上の作用素とその摂動の安定性
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19740063
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
三浦 毅 Yamagata University, 大学院・理工学研究科, 准教授 (90333989)
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Keywords | 関数解析学 / Banach環 / スペクトル保存 / 摂動と安定性 |
Research Abstract |
まずスペクトルを保存する写像に関連して,Molnarが示した結果を一般の単位的可換Banach環A,Bに対しても成り立つことを証明した.このときA,Bは多元環として同型であるこどが分かる.単位元の存在を仮定しないとき,Molnarと同じ設定で問題を考察することはごく自然な発想であるが,このときはAとBは多元環として同型にならないことがあることを,具体的な例を構成することにより証明した.摂動の安定性問題については,これまでに連続微分可能な関数空間の間の1階線形微分作用素がHyers-Ulamの意味で安定性をもつための必要十分条件が得られているが,同様の意味での安定性が成り立つための十分条件を,領域上のBanach空間値解祈関数のなす関数空間の間の1階線形微分作用素に対して与えた.また摂動の安定性に関連して,C(X)の元を係数とするある種の代数方程式の可解性をXの位相構造により特徴付ける結果を得た.このとき,Xの被覆次元が1以下であれば,近似的なn乗根の存在はn次方程式の解の存在を導くことも示した.Karahanjanはn次方程式をさらに一般かした方程式を考察し,その解の存在により関数環の特徴づけを得ているが,同様の方程式の可解性がXの位相構造を決定することを,Xが局所連結あるいは第一可算の場合に示した.これらの諸結果は,しかるべき雑誌に掲載済み,もしくは掲載が決定されているので,詳細については下記の研究発表欄を参照されたい.
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