2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740065
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
木村 泰紀 Tokyo Institute of Technology, 大学院・情報理工学研究科, 助教 (20313447)
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Keywords | 均衡問題 / 変分不等式問題 / 極大単調作用素 / Mosco収束 / リゾルベント |
Research Abstract |
今年度の本研究における最も重要な研究成果として,均衡問題と変分不等式問題との関連に関する研究が挙げられる.本研究の研究計画で指摘した通り,集合列の収束等の概念に代表される集合値解析の視点からのアプローチによって,不動点問題,変分不等式問題,凸最小化問題等に対しての非常に有用な結果は数多く得られているが,均衡問題については同様の取り組みで有用な結果が十分には得られていなかった.今年度の本研究の成果によって,変分不等式問題と均衡問題とが一定の条件の下で同値な問題であることが示され,これによって均衡問題についても,変分不等式問題に対する既存の結果を適用することで有用な定理が数多く適用できることが明らかになった. 一方,変分不等式問題についても,この問題との関連が非常に深い極大単調作用素の零点問題に対する研究を進めることで一定の成果が得られている.具体的には,零点問題の近似解を求める際に重要な役割を果たすリソルベントの収束に関する新しい定理が得られた.さらに,このリソルペントを含む一般的な概念として強非拡大写像列という概念を新たに導入し,その研究によって解の近似に関する重要な性質とそこから導き出されるさまざまな収束定理も得られている. 来年度以降に残された課題としては,今年度の研究では包括することのできなかった,非線形射影を用いた解の近似法等に関するより深い研究が挙げられる.
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Research Products
(13 results)