2007 Fiscal Year Annual Research Report
非線形常微分方程式の振動性・非振動性の精緻な解析を目指して
Project/Area Number |
19740066
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
谷川 智幸 Joetsu University of Education, 大学院・学校教育研究科, 准教授 (10332008)
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Keywords | 非線形微分方程式 / 振動理論 / 振動性 / 解の漸近的性質 / 定性的理論 |
Research Abstract |
本研究の目的は,非線形Sturm-Liouville微分作用素が主要部である非線形常微分方程式の解の振動性と漸近挙動の精密な解析を行い,それを拠り所にして解の全体構造を解明することである。 本年度は,高階非線形常微分方程式の解の全体構造の精細な研究とセルビアのKaramataによって創始された正則変動関数論の枠組みで非線形関数常微分方程式の非振動解の漸近挙動に関する研究を行った。 [研究実施の具体的な内容] (1)振動理論の発展史の総括.考究の対象となっている微分方程式の種類,それらに対して得られている結果,結果を導出するために利用されている数学的方法・手段・技術を分類し,可能な限り体系的にまとめる作業を行った。情報の収集にはインターネット(Math. Sci.Net., Zentralblatt MATH等)と他大学の図書館を利用した。 (2)研究成果報告.研究経過を定期的に振動理論の世界的権威で世界の情報を握っている草野尚教授(広島大学 名誉教授,福岡大学)に報告して批判と助言を求めた。 (3)研究成果発表.平成19年9月に開催された日本数学会秋季総合分科会(東北大学)において,また,平成20年2月に開催された振動理論ワークショップ-福岡(2008)において得られた研究成果を発表した。 [主な研究成果] (1)非線形Sturm-Liouville微分作用素に含まれている係数関数に,ある積分収束条件を仮定し,その条件の下で,高階非線形微分方程式の非振動解の構造に関する情報と振動解が存在するための条件を求めた。 (2)Karamata関数(正則変動関数)の枠組みの中で,2階非線形関数微分方程式の非振動解の漸近行動を解析し,解の構造に関する情報を得た。 (3)2階の線形Sturm-Liouville微分方程式の非振動性を正確に保存する摂動を研究し,その結果がある種の応用問題に効果的に適用されるという事実を示した。
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Research Products
(3 results)