2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740070
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊師 英之 Nagoya University, 大学院・多元数理科学研究科, 准教授 (00326068)
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Keywords | 有界等質領域 / ベルグマン写像 / ウィシャート分布 / 等質錐 / ジーゲル領域 / 可解リー群 / 軌道の方法 / 再生核 |
Research Abstract |
今年度は主に開凸錐とジーゲル領域の幾何と解析について考察をすすめた。主な研究成果は以下のとおりである: 1.可解リー群の複素解析的誘導表現のユニタリ化可能性を、最も簡単な5次元の場合に解明した。一般の場合も等質ケーラー多様体の幾何との関連が、より見通しよくなった。 2.有界等質領域を含む広範な複素領域について、その正則同型群の任意の点での固定部分群のリー群としての次元が1以上であることを示した。これはHundemerが提出した問題に解答を与えるものである。 3.(甲斐千舟氏との共同研究)従来複素領域について定義されていたベルグマン写像の内在的意味を考察し、ケーラー多様体に対する写像として一般化した。とくに等質なケーラー計量が入った等質ジーゲル領域に対するベルグマン写像は、野村隆昭達によって研究されているケイリー変換と一致することが明らかになった。その結果、有界等質領域の対称性がベルグマン写像の像の凸性と同値になることがわかり、この事実は「等質な有界凸領域は対称か?」という予想の解決に大きな手がかりを与えると思われる。 4.(Piotr Graczyk氏との共同研究)開凸錐に関する正値性をもつベクトル値二次形式に付随するウィシャート分布を定義し、その共分散や高次モーメントを計算する一般的な公式を与えた。さらに二次形式が十分大きな線型群に関する共変性をもつとき、等質錐の理論、とくにリース超函数についての結果を応用して、ウィシャート分布の台や密度函数を明示的に記述することに成功した。
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