2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740070
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊師 英之 Nagoya University, 大学院・多元数理科学研究科, 准教授 (00326068)
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Keywords | 等質錐 / ウィシャート分布 / 有界等質領域 / ベルグマン核 / ベレージン核 / ユニタリ表現 / ハイゼンベルグ群 / ウェーブレット変換 |
Research Abstract |
平成20年度の主な研究成果は以下のとおりである : ・ 等質錐および付随する基本相対不変式について、一般論と興味深い例の観察の両面において大きな進展があった。とくに自己双対ではないが双対錐と線型同値な等質錐は、今後も面白い研究対象になるであろうと思われる。これは九州大学の野村隆昭教授との共同研究である。 ・ 開凸錐に値をとる二次形式に付随するウィシャート分布についての研究を、バーチャルなる概念を導入することにより大きく拡張した。バーチャルなウィシャート分布に対しても分散や高次モーメントを求める公式が与えられる。また、グラフィカルモデルの理論と我々の研究のつながりも、とくに等質な場合について、理解が進んだ。これはアンジェ大学(フランス)のP. Graczyk教授との共同研究である。 ・ 有界等質領域の代表領域実現について、幾つかの結果が得られた。とくにベルグマン写像のヤコビアンについての有用な公式を発見したことにより、ベルグマン核やベレージン核の重要な評価が得られたことの意義は大きい。 ・ 可換とは限らない正規部分群をもつ半直積群に付随するウェーブレット変換についての研究を整理し、とくにハイゼンベルグ群と或る群の半直積群の場合には、明示的に表される認容ベクトルの具体例を発見した。 ・ ユニタリではない表現から誘導される半直積群の表現をユニタリ化する一つの方法を提示した。これは上記ウェーブレット変換と直接の関係はないが、共通のアイディアから生み出された結果である。そこで構成された内積の応用として、ハイゼンベルグ群上の不変CRラプラシアン型作用素なるものを定義し、その固有空間分解を記述した。
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