2007 Fiscal Year Annual Research Report
非線形常微分方程式の振動理論とその楕円型方程式への応用
Project/Area Number |
19740074
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
山岡 直人 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 助教 (90433789)
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Keywords | 関数方程式論 / 常微分方程式 / 楕円型方程式 / 振動理論 / 非線形摂動項 |
Research Abstract |
本年度は,2階非線形常微分方程式の解の振動性について考察した。特に,線形微分方程式を一般化した半分線形と呼ばれる非線形微分方程式の解の構造に着目し,次の研究成果を得た。 1.一次元p-Laplacianと減衰項をもつ非線形微分方程式に対して,「全ての解が振動するための十分条件」と「全ての解が振動しないための十分条件」を与えた。これらの十分条件を証明する過程において,ある条件のもとでは,p-Laplacianをもつ微分方程式と半分線形微分方程式の構造について類似点を見つけることができた。なお,二つの十分条件を証明するためには,全ての解が零に収束するための条件を求めなければならない。その条件を得るために, p-Laplacianをもつ微分方程式と同値な2次元微分方程式系を考え,それを相平面上で解析した。 2.半分線形微分方程式に対して時間遅れを含む非線形摂動項を加え,非振動条件(振動しない解をもつための十分条件)を与えた。本研究の結果は,先行研究である振動条件(全ての解が振動するための十分条件)と対をなす条件であり,また,振動条件が最善であることを保障する条件でもある。 3.上述1と2の研究補助として数値実験を行い,視覚的に微分方程式の解の挙動を捉えた。その数値実験によって,一部の微分方程式については,解の振動性に関する規則性が判明した。また,数値実験の一環として解軌跡描画ソフトを作成するために必要なプログラミング言語の調査を行った。
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Research Products
(4 results)