2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740075
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
島田 理恵子 Waseda University, 理工学術院, 助手 (40449343)
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Keywords | 関数方程式 / 基礎解析学 |
Research Abstract |
流体力学の数学的理論において最も基本的な方程式にナビエ-ストークス方程式がある。この方程式は水や空気など我々の身の回りにある流体の運動、すなわち粘性流の運動を表す方程式である。ここで境界条件として、境界で流体が止まっている状態を表すnon-Slip条件は数学的、物理的にとても基本的かつ重要な条件であり、多くの研究者によって研究されている。一方、境界面で流体に働く摩擦がないという条件を表すslip条件も同様に重要な条件である。簡単に言えば、境界面で滑っている場合を表す1次偏微分作用素を含む条件であり、自由境界値問題などを考える際にとても適切な条件である。また物理現象を考える際、その中間条件である次のRobin条件を考察するのは妥当である: κ(non-slip)+(1-κ)(slip)=0(0≦κ≦1) 私の研究目的は、non-slip条件で成り立つ結果が、より広い条件であるRobin条件の場合に拡張できるかという観点からこの方程式を解析した。 主な手法の一つに解析的半群を用いた解析があり、私も解析的半群の立場から解析を行った。 研究成果としては、2次元外部領域の場合に、強解の大域解の存在を示す際必要なL_p-L_q評価を得る。non-slip条件の場合ではDan-Shibata(1999)で得られており、2次元でのレゾルベント評価を用いて、Dan-Shibataと同様の手法を踏むことにより局所減衰定理を示し、cut-offの方法を用いて示せた。基本となる定理等はRobin条件の場合にも拡張できた。 半空間の場合には、non-slip条件の場合にはKubo-Shibata(2005)によって結果が得られており、同様の手法からRobin条件への拡張を試みたが、私の考える境界条件の第1項、第2項の正則性が異なる為、計算が困難であり、現在も取り組んでいるところである。
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