2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740087
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
町原 秀二 Saitama University, 教育学部, 准教授 (20346373)
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Keywords | 微分方程式の初期値問題 / 非線形ディラック方程式 / ディラック・クライン・ゴルドン方程式 |
Research Abstract |
量子力学に現われる波動方程式、非線形ディラック方程式およびディラック・クライン・ゴルドン方程式の初期値問題の適切性を研究した。ここで微分方程式の初期値問題の適切性とは、(1)解の存在性、(2)解の一意性、(3)解の初期値に対する連続依存性の三つの性質のことである。具体的には (1)非局所的な非線形項を持つ非線形ディラック方程式を空間高次元および空間2次元で考察を行った。尺度不変性の議論より得られる正則度での初期値問題の適切性を得た。空間高次元の問題に関する結果は論文に纏めることができ現在専門雑誌において印刷中である。また空間2次元の問題に関する論文も纏まっていて現在専門雑誌での査読を受けている。 (2)ディラック・クライン・ゴルドン方程式を空間1次元で考察を行った。初期値問題の適切性として部分的解決を得た。 各方程式の初期値問題の適切性の問題でより低い正則度での解決は近年、国内外の研究者の間で激しい競争がある。正則度の下がった数値より当然そこに至った技術開発が重要であるがBourgainのフーリエ制限定理を用いた手法はその代表といえる。本研究も部分的にその技術を用いて行っているが、そこにより対象方程式の特徴を反映させたことが成功の鍵であり、これからの後続の研究に対する影響を考えると重要性があると考える
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