2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740088
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
増田 俊彦 Kyushu University, 大学院・数理学研究院, 准教授 (60314978)
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Keywords | 作用素環 / 群作用 / 分類 / 離散従順群 / コンパクト群 |
Research Abstract |
本年度は単射的因子環への離散従順群とコンパクト群の作用の解析を中心に研究をした。 まず離散従順群の作用の分類の新しい証明を発見した。これまでの分類理論の証明は因子環の種類によって場合わけされていたのだが、私はエヴァンズ-岸本による分類の議論を発展させることによって、簡明でかつ統一的な証明を完成した。系として2次コホモロジー消滅定理を今まで知られていた状況より一般的な状況で示すことに成功した。またこの議論はかなり汎用性が高く、同じような議論を用いて、部分因子環への群作用の分類や、単射的因子環の離散従順群の外部的自己同型群への単射準同型の分類にも成功した。前者についてはこれまでは技術的困難によって部分的な結果しか得られてなかったものであるが、かなりの場合に完全分類を与えた。後者の分類結果については片山-竹崎によってすでに知られていたものではあるが、この場合も証明は格段に簡明になった。 またコンパクト群の作用の研究においては、以前は不変量が自明な場合を扱ったが、今年度は、不変量が生じる場合を主に扱った。特に泉によって導入された、modular自己準同型が出てくる場合を扱った。このケースについては、モジュラー自己準同型が出てくる部分は、元の群の双対空間の一種の正規部分群に対応するようなものとなっており、その商群に相当する群作用の分類に帰着することができる。モジュラー自己準同型の解析的な性質や、前段で述べた手法を応用することによって単純連結コンパクトリー群の作用の分類を得た。
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Research Products
(3 results)