2007 Fiscal Year Annual Research Report
微分方程式に現れる発散解のボレル総和可能性とボレル和の構造の研究
Project/Area Number |
19740091
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
市延 邦夫 Kanagawa Institute of Technology, 基礎・教養教育センター, 准教授 (20434417)
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Keywords | 偏微分方程式 / 発散級数 / ボレル総和法 / 初期値問題 |
Research Abstract |
1 非斉次熱方程式の初期値問題に対する発散解のボレル総和可能性とそのボレル和の構浩の研究 この研究を基にして、より一般的な定数係数線形偏微分方程式の初期値問題に対する発散解のボレル総和可能性を考えていくことができる。現在までには、定数係数擬同次型偏微分方程式を扱う場合、その作用素に注目し、その作用素に対するユークリッドの互除法を応用した分解を用いて、より低次の偏微分方程式を扱えばよいということを示している。また、定数係数擬同次型の偏微分方程式の偏微分作用素を因数分解し、未知関数を変換することにより、より低次の階数の偏微分方程式を扱う問題に帰着する。ただし、この時、非斉次方程式を扱う問題に帰着される。同じ問題を2つの側面から捉えることにより、非斉次方程式を見つめなおすことができる。この非斉次方程式に帰着する考え方は一般の定数係数線形偏微分方程式を扱ううえにおいて今後重要となってくる。さらに、もっとも単純な熱方程式を扱うことは、ボレル和の構造を把握するための第一段階である。この研究は、発散解のボレル総和可能性の十分条件の証明まで進んでいる。 2 複素領域における特異常微分方程式系の不確定度 本研究(ボレル総和法)において一番最初に考えなければならない、発散級数解の発散ずる度合(ジュブレイ度と呼ぶ)と密接に関係する研究である。本来この研究を経て、ボレル総和可能性の問題へ移行していく。この研究の先には、正確な(マルチな)ジュブレイ度を知ることにより、ボレル総和法からマルチ総和法へと発展してゆく。
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