2007 Fiscal Year Annual Research Report
反応・拡散・移流系が生成する有限次元力学系と時空間パターン
Project/Area Number |
19740093
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Research Institution | Ube National College of Technology |
Principal Investigator |
大崎 浩一 Ube National College of Technology, 経営情報学科, 准教授 (40353320)
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Keywords | 非線形微分方程式 / 反応拡散方程式 / パターン形成 |
Research Abstract |
本研究は反応・拡散・移流系の解が呈する時空間パターンに関する研究である.反応・拡散・移流系のうちでも特に,1993年,明治大学・三村昌泰教授と宮崎大学・辻川亨教授によって提案された三村・辻川系を扱っている. これまで三村・辻川系については,これが六角形パターンやストライプパターンを呈することが,大阪大学・八木厚志教授らの研究グループによって数値的に示されており,さらに研究代表者と共同研究者の研究によってその数値結果と分岐理論を用いた理論解析との間に関連性があることが示されている.本年度は,この研究をより詳細に解析する目的で,空間1次元の場合に対する分岐解析を行った.空間1次元であれば,ソフトウェアAUTOによってパターン解を追跡できるため詳細な分岐解析が可能となる.空間2次元で取り扱う長方形領域の縦と横の比である1対ルート3という長さを有するそれぞれの区間に対する分散関係式を導き,波数1及び2を有する定常解が分岐することをAUTOによって示した.またホップ分岐も起こることを確認し,これが縞模様が揺れ動くようなパターンの発生に関わっている可能性を示唆した.成果は,千葉大学における国際研究集会International Conference on Free Boundary Problems in Chiba 2007によってポスター発表されている.来年度以降の研究において,この成果を本来示すべき空間2次元の場合に活用する見込みである.この場合は,最大値と最小値の差の絶対値に着目して分岐図を作成するなどの工夫が必要であると考えている. 本年度8月には,第29回発展方程式若手セミナーの幹事を務めさせていただき,反応・拡散・移流系の数名の研究者ならびに大学院生を招き,最新の研究結果と情報交換を行った.結果は,第29回発展方程式若手セミナー報告集にまとめられている.
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