2009 Fiscal Year Annual Research Report
反応・拡散・移流系が生成する有限次元力学系と時空間パターン
Project/Area Number |
19740093
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Research Institution | Ube National College of Technology |
Principal Investigator |
大崎 浩一 Kwansei Gakuin University, 理工学部, 准教授 (40353320)
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Keywords | 非線形微分方程式 / 反応拡散方程式 / パターン形成 |
Research Abstract |
本研究は反応・拡散・移流系の解が呈する時空間パターンに関する研究である.反応・拡散・移流系のうちでも特に,1993年,明治大学・三村昌泰教授と宮崎大学・辻川亨教授によって提案された三村・辻川系を扱っている.これまで三村・辻川系については,これが6角形パターンやストライプパターンを呈することが,大阪大学・八木厚志教授らの研究グループによって数値的に示されており,さらに研究代表者と共同研究者との研究によってその数値結果と分岐理論による理論解析との間に関連性があることが示されている.昨年度は,2次元パターンの分岐構造について,中心多様体理論に基づき,局所的なダイナミクスを表す縮約方程式を求めた.今年度は,奥田孝志氏と共同で,得られた縮約方程式を解析し,詳細な分岐構造を明らかにした.具体的には,六角形パターン解が横断的に定数解から分岐し,その後分岐枝が反転して安定となることならびに,ストライプパターン解が熊手型不安定分岐を起こしうることなどが分かった.成果論文は現在投稿中である.今後は,研究の過程で見つかった振動解について, ポップ分岐の観点からこれを解析していく予定である. また, 反応拡散系に見られるスパイラルパターンについて, これに対するキネマティック方程式を導出から新たに見直すことも, 矢崎成俊氏との共同で行った. これまで知られているMikhailov等が提案したキネマティック方程式では,自由端を有する曲線の場合, 伸びないことが示された. そして, 従来から注目されている境界条件に関する問題へと同様に帰着した. 今後は, 実現象との対応を含めて, これを考えていく予定である
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