2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740095
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
YEVGEN Zubko Hokkaido University, 低温科学研究所, 非常勤研究員 (10435977)
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Keywords | 光散乱 / 偏光観測 / 彗星 / 塵粒子 / 氷昇華 / 離散双極子近似 / 不規則形状粒子 |
Research Abstract |
これまで、彗星から放出された固体微粒子による太陽光の散乱が、その固体微粒子の体積充填率(もしくは空隙率)、典型的なサイズ、および可視光の吸収率にどのように依存しているのかということを同僚と共同研究して調べてきた。この研究で得られた主要な結果は、次のとおり2つに要約することができる。 1.彗星ジェットと呼ばれる束状の固体微粒子の集合体は、太陽光を後方散乱する方向の近くで負の偏光が存在しない理由は、一般に、そこに小さな微粒子が凝集してできたと思われるふわふわとした構造をした固体微粒子の存在を意味するものではない。より適切な説明は、ジェットが極端にはふわふわしていない大きい固体微粒子から成っているということである。そのような固体微粒子が可視光を良く吸収するという仮定の下では、固体微粒子サイズは5ミクロンより大きいと推定される。一方、あまり可視光を吸収しない固体微粒子の場合(即ち、マグネシウムに富むケイ酸塩からなる固体微粒子や水氷からなる固体微粒子)には、固体微粒子サイズが8〜10ミクロンより大きくなければならない。 2.有機物の複素屈折率についてのこれまでの共通意見は、有機物は虚部の大きい複素屈折率を持っていることである。われわれの数値シミュレーションでは、そのような複素屈折率を持っている有機物が彗星ジェットにかなりの量あると結論できるが、彗星核を囲むハロー状の固体微粒子の雲にはないということを示した。
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