2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740099
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
戸谷 友則 京都大学, 理学研究科, 准教授 (90321588)
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Keywords | ダークエネルギー / ガンマ線バースト / 暗黒物質 |
Research Abstract |
現在の最新宇宙論における重要問題はいくつかあるが、その最大のものは「宇宙のダークサイド(暗黒面)」という言葉で以下の三つにまとめることができるだろう。すなわち、(1)宇宙を加速膨張させる「ダークエネルギー」、(2)宇宙の重力を支配する「ダークマター(暗黒物質)」、そして(3)宇宙の晴れ上がりから最初の天体形成と宇宙再電離をつなぐ「ダークエイジ(暗黒時代)」である。本研究の目的は、様々な最新観測計画に連携した理論的研究を通じてこれらの重要問題に関するサイエンスをさらに推し進め、宇宙論で残されたフロンティアであるダークサイドの解明に貢献することであった。 (1)については、進展しているFMOS試験観測やGTO観測のデータを元に、FMOSチームと協力しながらFastSound計画のサーベイデザイン確定のための研究を行った。実際にFMOSのデータでパイロット観測を行えば、ターゲット銀河の特徴なども判明し、最終的なダークエネルギーへの制限をより正確に見積もることができた。これらに加え、様々な系統誤差の検討を行った。昨年秋にすばる望遠鏡戦略枠の観測提案書を作成し、申請した。現在最終審査段階である。 (2)については、最新のフェルミ衛星データとブレーザー光度関数の理論モデルとの比較などから、微光天体のカウントや背景放射への寄与などの解析を通じて、ガンマ線背景放射の中のダークマター成分の有無を調べた。さらに、星形成銀河からのガンマ線の背景放射への寄与を現実的な銀河形成モデルから見積もり、ダークマター成分の可能性をさらに小さいものとした。 (3)については、引き続きすばる望遠鏡ガンマ線バーストチームの中で、解析や論文化で貢献した。
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Research Products
(4 results)