2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740100
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
早崎 公威 Kyoto University, 基礎物理学研究所, 研究員(特別教育研究) (30374218)
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Keywords | 理論天文学 |
Research Abstract |
【研究目的】 巨大バイナリーブラックホールの存在を証明するために理論的な探査方法の提案を行うこと。 【意義、重要性】 近年、あらゆる銀河において質量の大きな銀河ほど質量の大きなブラックホールが存在していることが分かって来た。この関係は、銀河同士の衝突合体の結果、その中心の巨大ブラックホール同士も合体成長するブラックホールの階層的成長を強く示唆している。銀河同士の合体を経て、巨大ブラックホール同士が単一の超巨大ブラックホールへと成長するまでの間、安定したバイナリーを形成する段階が必ず存在することが理論的に分かっている。しかし、未だにサブパーセク以下のバイナリーブラックホールは同定されていない。本研究の意義は、そのようなスモールスケールのバイナリーブラックホールを同定することによって、宇宙は階層的に構造形成されたことを証明することにある。 【具体的成果】 本研究では、バイナリーブラックホールの周囲に巨大なガス円盤(周連ブラックホール円盤)と、それぞれのブラックホールの周囲の降着円盤の合計3つのガス円盤(三重円盤モデル)が形成されることを示し、降着円盤からの放射にユニークな特性が見られること示した(Hayasaki, Mineshige, & Ho 2008)。さらに、周連ブラックホール円盤からの放射に特徴的な時間変動性があることを示した(Hayasaki & Okazaki 2009)。また、三重円盤モデルにおけるバイナリーブラックホールの進化を調べ、宇宙年齢内に合体可能であることを明らかにした(Hayasaki 2009)。
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Research Products
(4 results)