2010 Fiscal Year Annual Research Report
赤外線天文衛星AKARIによる星間氷組成の空間分布観測
Project/Area Number |
19740103
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
相川 祐理 神戸大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (40324909)
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Keywords | 天文学 / 星間化学 / 赤外線天文学 / 星形成 |
Research Abstract |
(1)赤外線衛星AKARIの1'×1'アパーチャー一内で観測したedge-on YSO(Young Stellar Object)のスペクトルの解析結果をまとめた。ほとんどの天体で強いH_2O,CO,CO2バンドが検出された。また、より弱い吸収バンドであるHDO,^<13>CO_2,OCN^-,OCSの吸収バンドの存在も示唆された。これらの結果はAstronomy & Astrophysics誌に掲載された。 (2)AKARIでは、10'×10'アパーチャーに数10個の分子雲背景星が写ったスリットレス分光のデータがある。しかし、このデータは異なる星のスペクトルが接近しており、スペクトル情報を切りだすのが容易ではない。本年度は、2MASSどによる測光値のアーカイブデータを用いて、よりうまくスペクトル情報を取り出す方法を編み出し、テストを行った。スペクトルから得られた氷柱密度は、近赤外測光から推定された減光度とよい比例関係を示すことが分かった。 以上(1)(2)の結果は次ページに記した国内および国外の研究会において発表を行った。 (3)1'×1'アパーチャー内で観測したedge-onでないYSO、および分子雲背景星についてイギリスのグループがデータを得て解析を行ってきている。この研究に対して、私は本研究の過程で得られたデータ解析手法や、背景星の減光度推定法などの提供し、解析に協力してきた。その結果、背景星でもH_2O,CO.CO_2の強い吸収バンドや、いくつかの天体でHDOの存在を示唆する弱い吸収バンドが得られた。これらの結果は学術論文にまとめて投稿中である。また、済州島で行われた国際会議"The Second AKARI Conference : Legacy of AKARI : A Panoramic View on the Dusty Universe"において成果報告が行われた。
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[Journal Article] AKARI observations of ice absorption bands towards edge-on young stellar objects2012
Author(s)
Aikawa, Y., Kamuro, D., Sakon, L., Itoh, Y., Terada, H., Noble, J.A., Pontoppidan, K.M., Fraser, H.J., Tamura, M., Kandori, R., Kawamura, A., Ueno, M.
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Journal Title
Astronomy and Astrophysics
Volume: 538
Pages: 57-68
Peer Reviewed
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