2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740115
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
萩野 浩一 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 准教授 (20335293)
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Keywords | 中性子過剰核 / 対相関 / 平均場理論 / 双中性子相関 / クーパー対 / 核分裂障壁 / 三軸非対称変形 / ハイパー核 |
Research Abstract |
本研究の目的は、芯核に多数の中性子が結合した中性子過剰核の構造と反応の機構を明らかにすることである。これに関連し、今年度は以下の研究成果を得た。 1. ^<11>Li核における双中性子相関に関し、局所対エネルギーが極小となる位置で中性子クーパー対のサイズが最小になることを明らかにした。また、強い双中性子相関が中性子過剰核で発達するためには、対相関相互作用による異なるパリティ状態の混合が本質的な役割を果たしていることを指摘した。 2. 昨年度提唱した、中性子と陽子の密度分布の差が関与するアイソ・ベクトル成分を持つ対相関相互作用を用いていくつかのアイソトープに対しHartree-Fock-Bogoliubov計算を行い、この対相関相互作用を用いると対ギャップの質量数依存性をよく再現できることを明らかにした。 3. 中性子過剰核の核分裂障壁を平均場近似で計算する際、通常行われているように全四重極能率で拘束条件をつけても、陽子や中性子のみを拘束しても結果はほとんど変わらないことを明らかにした。 4. 平均場近似を用いて、炭素同位体の三軸非対称変形の系統性を議論した。質量数の関数として、基底状態の変形度が(beta, gamma)平面内で大きく変化することを明らかにした。 5. これに関連し、ハイパー原子核の変形を相対論的平均場法を用いて議論した。^<12>Cや^<28>Si原子核にラムダ粒子を付加すると、オブレート変形状態から球形へ変形度が大きく変化する可能性があることを指摘した。また、中性子過剰ハイパー核の弱崩壊の計算を平均場近似を用いて行い、強い中性子・陽子間相互作用のために中間子弱崩壊モードの崩壊率が質量数とともに増加することを明らかにした。
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Research Products
(15 results)