2007 Fiscal Year Annual Research Report
液体シンチレーター中のC13原子核(α、n)反応の研究
Project/Area Number |
19740116
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
丸藤 祐仁 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 助教 (60396421)
|
Keywords | ニュートリノ |
Research Abstract |
液体シンチレーターに^<13>Cで出来たメタンガスを溶解し実験する事が可能かを検証するため、まず一般に販売されているメタンガスをカムランドで使用している液体シンチレーターに飽和するまで溶解し、^<136>Cs線源を用いてクエンチ(消光作用)などの影響を確認した。窒素で飽和させた液体シンチレーターとの比較を行ったが、誤差の範囲内で一致し、クエンチの影響は無いという結論に達した。 上記はカムランド検出器と独立に(α、n)反応を研究しようという目的で行われているが、これらと別に、95μCiの^<210>Poと0.3gの^<13>Cを混合した密封線源(PoC)が開発された。この線源は直径13mm、高さ13mmのステンレスカプセルに密封され、このカプセル内で^<210>Poが崩壊した時に放出されるα線が^<13>Cに吸収される事で^<13>C(α、n)^<16>0反応を再現する事が可能になる。PoCをカムランド内に挿入し、データ収集・解析を行う事によって、これまで行う事が出来なかった(α、n)バックグラウンドの較正を行う事に成功した。カプセル内の^<210>Poは徐々に崩壊していくため(半減期138.4days)、約0.00121%の確立で発生する0.803MeVのγ線を検出する事によりPoの崩壊頻度を決定し、さらに各エネルギー領域における事象のスペクトルおよび発生率を解析した。この結果、これまで5.5MeV以下で32%、5.5MeV以上で100%と見積もられていた系統誤差を、それぞれ11%、20%と改善する事に成功した。今後データを増やし、さらなる誤差の縮小を行うと共に、カムランドを用いない独立した方法で検証を行う準備をしている。
|