2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740119
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 正俊 Tohoku University, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 助教 (30400435)
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Keywords | α凝縮状態 / 酸素原子核 / αクラスター |
Research Abstract |
研究代表者は東北大学サイクロトロン・ラジオアイソトープセンターにおいて昨年度からデータ収集系および崩壊α粒子検出器の開発の一部を行ってきたが、昨年度末にイオン源の高周波電源が故障したため、本年度初頭は主にα粒子を用いて崩壊α粒子検出器の開発を行った。課題であったシリコンストリップ検出器のノイズ対策も、主なノイズ源がデータ収集系で使用しているVMEクレートなどのスイッチング電源であることを特定し、フェライト磁石をACコードに取り付けることによってノイズを抑え、エネルギー分解能はα粒子40MeVまでの領域で50keV程度を達成した。また同時に、ビームを診断する装置として、ビームが運動量分散をもつところにビームビュワーを設置した。これにより、ビデオカメラで像を見ながら加速器パラメータを調整できるようなり、ビーム調整の時間を短縮できた。2008年度後半から^<16>O^<5+>-160MeVのビームが以前と同等の強度で供給できるようになったため、次に、反跳核の^<12>Cが4.4NeVの2^+状態に励起したことによるバックグランドを評価するためのNaI検出器を設置するための開発を行った。 運度量移行の可能な限り小さな領域(q=0.9fm-1)において、酸素原子核の励起エネルギー15MeV付近からの崩壊α粒子を測定したところ、^<12>Cのα凝縮状態である7.65MeVの第二O^+(O_2^+)状態へ崩壊するチャンネルからの崩壊α粒子を観測することができ、当初の予定通りα凝縮状態を確認するための実験技術を確立し、現在実験データの蓄積を行いつつデータ解析方法をチェックしている。本科研費で確立した実験技術を用いて、この1年で必要な実験データ収集を完了し、α凝縮状態の詳細に関して議論を深める。
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