2007 Fiscal Year Annual Research Report
超対称理論における非摂動効果の局所化の方法を用いた研究
Project/Area Number |
19740120
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
太田 和俊 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 助教 (80442937)
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Keywords | 素粒子論 / 数理物理 / 超対称理論 / 非摂動効果 / 局所化の方法 / 行列模型 / 低次元ゲージ理論 / ソリトン |
Research Abstract |
今年度は大きく2つの課題について研究を行った。一つは3次元Chern-Simons理論や2次元BF理論などの低次元ゲージ理論の行列正則化に関する研究で、ゲージ理論を次元簡約化することによって得られた行列模型に対して、その性質とlarge N極限に関する議論を行った。特に、得られた行列模型を本研究の主要な手法である局所化の方法を用いて解析すると、large N極限で元々のゲージ理論の分配関数が正確に再現されることがわかった。局所化の機構が場の理論とその正則化である行列理論と同様に働き重量な役割を持つこともわかり、局所化の方法の重要性を再認識することができた。 もう一つの研究は、超対称ゲージ理論に置けるソリトン(インスタントン)解とトロピカル幾何やアメーバと呼ばれる数学概念との結びつきに関する研究である。研究では交差しているような配位を持つソリトンに対して、そのソリトン上に分布する電荷や形などの情報が、数学で発展しつつあるトロピカル幾何学の言葉を用いて非常によく記述できることを発見した。特に、ソリトン配位のゲージ場のWilsonループや電荷分布が、Ronkin関数とそれに対するMonge-Ampere測度で記述できることを見いだし、ソリトンのモジュライ空間の計量(Kahlerポテンシャル)の漸近形に対する新たな知見が得られた。これらの結果を位相的場の理論における局所化の方法を使ってより深く理解しようとする試みも現在進行中であり、今後の更なる発展が期待される。
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Research Products
(4 results)