2008 Fiscal Year Annual Research Report
超対称理論における非摂動効果の局所化の方法を用いた研究
Project/Area Number |
19740120
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
太田 和俊 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 助教 (80442937)
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Keywords | 素粒子論 / 数理物理 / 超対称理論 / 非摂動効果 / 局所化の方法 / 行列模型 / 低次元ゲージ理論 / ソリトン |
Research Abstract |
今年度は前年度の研究結果を論文にまとめ、雑誌に投稿し掲載が決定された。昨年度までの研究結果に加えて今年度は3つの課題に関する研究も行った。一つは超対称性の的な破れをゲージ理論における双対性の立場から見る研究で、M理論におけるブレインの配置を活用するとゲージ理論の双対性によってどのように超対称性が破れるのかが幾何学的に一目瞭然に理解できる事を示した。また、N=2の超対称性がN=1の超対称性へ部分的に破れる現象に関して、この現象もM理論の立場からブレイン配置の連続的な変形として、幾何学的に理解できる事を示した。 次の研究はゲージ理論の双対性がカスケード的に繰り返し行われる模型で、超対称性を破る質量項や結合定数が繰り込み群の流れでどのように変化していくかについて詳細な研究を行った。この模型において超対称性の破れのスケールが十分小さく押さえられる場合がある事がわかった。 もう一つの研究は昨年度に引き続き行った研究で、2次元のゲージ理論を行列理論の行列の大きさが非常に大きい極限として再構成する試みである。昨年度までの研究では作用レベルの古典的な対応関係のみを明らかにしたが、今年度は分配関数レベルの量子論的な対応関係として2次元Yang-Mills理論がN=1^*行列模型と呼ばれる模型の行列のサイズが大きい極限として厳密に導出できる事を示した。特に、行列のサイズの大きさのゆらぎが2次元Yang-Mills理論におけるヴォーテックス数に対応する事がわかった。
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Research Products
(7 results)